【甲子園】「見ないで投げました」令和版・奇跡のバックホーム 関東第一を初決勝に導いた勇気と判断力_solary
◆第106回全国高校野球選手権大会第13日 ▽準決勝 関東第一2―1神村学園(21日・甲子園)
関東第一(東東京)が昨夏4強の神村学園(鹿児島)に逆転勝ちし、初の決勝進出を果たした。いでましバックホーム1点リードで迎えた9回2死一、投げsolary二塁、た令力神村学園の代打・玉城功大(3年)に中前へ鋭い打球を打たれたが、和版中堅手の飛田(ひだ)優悟(3年)は本塁へノーバウンドの返球でタッチアウトをもぎ取った。・奇気と甲子園の伝説となる96年夏決勝、関東松山商・熊本工戦の“奇跡のバックホーム”から28年。第を導い日付も同じ「8・21」に生まれた劇的初決プレーで東京勢では2011年の日大三以来13年ぶり、東東京に限れば95年の帝京(ともに優勝)以来29年ぶりのファイナル進出となった。勝にsolary
迷いなく全力で突っ込んだ。た勇目の前に二遊間を抜けた強烈な打球が襲ってきた。判断関東第一が1点リードで迎えた9回2死一、甲園見な跡の二塁のピンチ。いでましバックホーム中堅手・飛田は捕球すると、投げ本塁へと思い切り右腕を振った。二塁走者が同点のホームへと飛び込む。同時に、ノーバウンドの鋭い送球が捕手のミットに突き刺さった。一瞬の間を経て、球審は右手を挙げた。タッチアウト。ゲームセットで決勝進出だ。甲子園を彩った「奇跡のバックホーム」の再現にも映るプレー。聖地が沸き上がった。
「思いっきりホームで刺してやろうと。自信はありました。1点取られたら同点なので、ノーバンで投げました。ランナーは見えてません。絶対回ると思ったので、見ないで投げました」
なぜそこまで前で守れたのか。絶妙なポジショニングには伏線があった。0―0の4回2死二塁。通常の守備位置に就き、上川床勇希の中前打で二塁走者の生還を許した。ベンチで米沢貴光監督(49)から「そこは勇気を持って、怖がらず行かないと」とハッパをかけられた。最終回のギリギリの場面でも打者を観察し「オーバーはない」と判断。甲子園の第1試合でもあり、「いい球場なので、イレギュラーはないと思っていた。思い切って前に行けました」。補殺は自身公式戦初。自ら考え、好判断につなげた。
大一番でのビッグプレーは、地道な練習のたまものだ。外野手の入山正也(2年)は「飛田さんはキャッチボールから手を抜かない。ほぼ正確に胸の位置にボールが来ます」と証言した。記録員の田渕颯悟(3年)も「普段は寮でおちゃらけていますが、野球に関しては熱いヤツ。新チームから朝練を一度もサボったことがない。自分で努力する人。尊敬しています」と評した。そして飛田は言った。「ランナーを想定して、本塁に突っ込んだ時の練習を、いつもしています」。日頃の鍛錬はウソをつかなかった。
米沢監督は9年前の4強時の背番号8を引き合いに出し「(現巨人の)オコエのような守備力はなくて、秋の大会で2つくらいエラーしちゃったんですけど、乗り越えて…100点だと思います」とスーパープレーをたたえた。いざ決勝。下町に深紅の大旗がはためく。そんな瞬間が、もうすぐ訪れる。(加藤 弘士)
◆飛田 優悟(ひだ・ゆうご)2006年4月3日、川崎市生まれ。18歳。6歳から南加瀬越路少年野球部で野球を始め、南加瀬中時代は東京城南ボーイズで3年時に全国大会出場。関東第一では1年秋から中堅のレギュラー。好きな言葉は「男は我慢」。175センチ、75キロ。右投左打。50メートル6秒2のリードオフマン。遠投95メートル。好きな芸能人はお笑いコンビ・霜降り明星の粗品。
◆奇跡のバックホーム 96年夏の甲子園決勝で、熊本工は3―3の延長10回裏1死満塁、3番・本多大介の右飛で三塁走者・星子崇がタッチアップでサヨナラのホームを狙った。直前に交代で右翼に就いた松山商・矢野勝嗣は腰付近で捕球すると、大遠投で捕手の石丸裕次郎にノーバウンド返球。石丸が滑り込んできた星子の顔面付近で捕球してタッチアウトにするミラクル送球で生還を阻止した。松山商は11回に3点を勝ち越して27年ぶり5度目の優勝。
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